カシオ:QV-R40 分解

赤外線写真

デジタルカメラ改造の難易度

赤外線写真用にするため、これまでいくつものデジカメを改造してきました。その中には、とても改造が簡単だったものから、難易度が高かったものまで様々です。

改造は撮影素子(CCDまたはCMOS)を剥き出しにするまで分解します。撮影素子までアクセスできれば、ローパスフィルタを取り外し、かわりにIRフィルタとピント調整用の部材を組み込むことができます。
今回は、機種別に分解の難易度を説明したいと思います。

もっとも簡単だった機種、Panasonic DMC-FX系

Panasonic の「DMC-FX」シリーズは、外装の構造がとてもシンプルでした。
これまで改造・分解を試みた機種は

  • DMC-FX07
  • DMC-FX30
  • DMC-FX35
  • DMC-FX66

の4機種になります。どの機種も3000円以下で入手でき、人気があったシリーズでしたので、福岡の「カメラのキタムラ」や、「エムシークリニック」またヤフオク! でも安く手に入ります。充電器も中古品が700円程度で、バッテリー互換品も安く手に入ります。

これらの機種は、三脚穴と底面カバーを固定するネジを2〜3本、側面のネジを3〜4本、CCD撮影素子の基板を固定するネジ3本、合計10本未満のネジを外すだけで、CCDを剥き出しにできます。(ただし、DMC-FX35とFX66は、液晶モニタと基板を隔てるカバーを外すために、さらに4本のネジを外すことになります。)

パナソニック, Panasonic DMC-FX35 の分解

DMC-FX35:背面のカバーを外し、さらに中のカバーを外すと、簡単にCCDにたどり着けます

ネジの種類も、カバーを固定する底面と側面は、1本を除いてまったく同じネジでした。再度組み立てるときも、ネジを間違う心配がありません。外装カバーを固定するネジと、液晶モニタの台座、CCD基板を固定するネジは、それぞれ色分けされているほどです。
組み立ての効率化だけでなく、修理メンテナンスのシンプルさを考えての設計なのでしょうか。

このシリーズは、赤外線改造にとても向いている機種だとオススメします。

NIKON COOLPIX S600 は、複雑な構造

対称的に、ニコンのデジカメ「COOLPIX S600」は、ローパルフィルターを外すまでの手順が、本当に複雑でした。なにしろ、カバーを外すだけではなく、沈胴レンズユニットを取り出し、レンズのオートフォーカス機構まで分解する必要がありました。ネジの種類も4〜5種類くらいになったでしょうか。

デジタルカメラ、ニコン NIKON COOLPIX S600 の分解、CCDの基板

ニコン COOLPIX S600

さらに沈胴レンズユニットを分解する際、モータがかっちりと固定されていなかったせいで、細心の注意を払って扱う必要があり、実に面倒くさかったです。

デジタルカメラ、ニコン NIKON COOLPIX S600 の分解、レンズユニット

ただし、このカメラは苦労の甲斐もあって、私がもっている赤外線カメラのなかで、もっともシャープな像を撮ってくれるようになりました。

デジタルカメラ、ニコン NIKON COOLPIX S600 の分解、ローパスフィルタとAFレンズ?

NIKON COOLPIX S600のレンズユニットをも分解して、ようやくローパスフィルタを外せます

キヤノンPowerShot A530 も複雑

PowerShotA530 も複雑な構造でした。分解するまで外したネジは24本にものぼり、これまでの中でもっともネジの管理に難儀しました。

キヤノン(Canon) PowerShot A530 の分解、フレキケーブルを外して基板をさらに外し、ネジの接着剤が見える
さらに、CCDを固定するネジが樹脂で接着されています。ネジを外す場合は、ヒートガンで樹脂を溶かすか、ナイフで樹脂を壊して取り除く必要があります。こういったことも含めて、面倒な構造だといえるでしょう。

キヤノンIXY

IXY 800IS は、PowerShoto A530 と比較して分解しやすい機種でした。

背面のカバーを外し、液晶モニタと、バックライトを個別に取り外したら、あとはCCDにアクセスできます。ただ、このネジが樹脂で接着されているので、デザインナイフで周りを削り取る必要がありました。
キヤノンはどちらの機種も、CCD基板を留めるネジが樹脂で接着されています。メーカーの特徴なのでしょうか。

デジタルカメラ キヤノン(Canon)IXY 800IS 分解

CCD基板を固定するネジが、接着剤で固定されています。

外装を外すのも、液晶モニタの土台を外すのもわかりやすい位置にネジがあり、素直な構造だったといえるしょう。ただ、私は IXY の分解中に基板をショートさせてしまったようで、この改造は失敗に終わっています。

ほかの機種は…

今回のまとめとしては、Panasonic の DMC-FX系と、キヤノン IXY が分解しやすい、ということになります。ほかにも改造しやすかった機種としては、カシオの QV-R40 もオススメです。また、友人から頼まれた リコー GX8 も、ホットシューの分解さえできれば、改造しやすい構造をしていました。

いずれまた、機種別にレビューしていこうと思います。

デジタルカメラの分解には、機器の破損や、フラッシュ用の昇圧回路による感電(おおむね300V以上の電圧)といった事故のリスクがあります。このブログの情報をもとに分解した場合であれ、メーカーの保証を受けられない事態や、感電などの事故、機器の破損について、発笑探検隊は一切の責任を負いません。デジカメの分解・改造は自己の責任で行って下さい。

ローパスフィルタの厚さの変化前のページ

iOS用アプリのリリースをお手伝いしました次のページ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近読まれてるエントリ

Twitter

PAGE TOP